この記事では、猫が水を飲まないときに考えられる原因と対処法、動物病院を受診すべき目安までを、獣医師がお伝えします。
愛猫がお水をなかなか飲んでくれず、食器の水位がほとんど減っていないのを見ると、「このままで大丈夫かな」と不安になりますよね。
愛猫との日常を少しでも安心して過ごすための手がかりにしていただければ幸いです。
なぜ猫は水を飲まないの?主な原因をチェック
猫が急に水を飲まない場合は、この後お伝えする原因が影響しているかもしれません。
猫はもともと砂漠地帯にルーツを持つ動物で、体のつくりとして、少ない水分でも生きていけるように適応してきました。
ウェットフードなど食事からも水分を摂るため、ボウルからごくごく飲まないからといって、必ずしも異常とは限りません。
一方で、急に飲まなくなった場合や環境・体調の変化が原因というケースでは注意が必要です。
ここでは、比較的よく見られる原因を整理しておきましょう。
① 水の味やにおいが気に入らない
猫は嗅覚が鋭く、水のにおいやわずかな味の違いにも敏感です。
- 水道水の臭いが気になる
- ミネラルウォーターの風味がイヤ
- 水の温度が気に入らない
気温や季節で飲水量が変わることもあります。
このように、水そのものや水をためている器による小さな要因が、猫の飲水量の低下につながっている場合があります。
② 食器の形・素材が苦手
水ではなく、器そのものが飲みにくさの原因になっていることもあります。
- 器のぬめりが気になる
- 器が深くて顔を入れるとヒゲがふちに当たる
- 器が軽くて動いてしまい、落ち着いて飲めない
- 器が落ち着かない場所に置かれている
このように、器の形や素材、置き場所が猫にとって不快だと、水そのものに問題がなくても自然と飲水量が減ってしまうことがあります。
一般的には、浅めの器や広口タイプがおすすめです。
③ 食事からの水分で足りている
猫が見た目にはあまり水を飲んでいなくても、食事から十分な水分をとれている場合もあります。
例えば、ウェットフードなら飲水が少なく見えることがあります。
食事内容によっては「水を飲まない=脱水」とは限らず、持病の有無も含めて総合的に判断することが大切です。
心配な場合は、かかりつけの動物病院に相談して確認してもらうと安心です。
水を飲まないときの脱水チェック
「水はあまり飲んでいないように見えるけれど、本当に脱水しているのか分からない」という場合は、見た目の飲水量だけで判断せず、体のサインを合わせて確認していくことが大切です。
ここでは、ご家庭でも比較的チェックしやすいポイントと、体重別のおおよその必要水分量の目安をまとめます。
猫が脱水しているサインとは?(皮膚・尿・元気など)
猫の脱水は、次のようなサインが組み合わさって見られることが多いです。
- 皮膚のハリ:背中の皮膚をそっとつまんで離したとき、すぐに戻らず、ゆっくり戻る
- 口の中の状態:歯ぐきがカサカサしていて粘り気がある、口の中が乾いて見える
- 尿の量や色:トイレに行く回数が少ない、固まった砂の量がいつもより明らかに少ない、尿の色が濃い
- 元気・食欲:いつもより動きが少ない、あまり遊ばない、食欲が落ちている
- 目の様子:目がくぼんで見える、表情に元気がない
これらがいくつか同時に当てはまる場合は、脱水が進行している可能性があります。
あわせて、1日に必要とされる水分量の目安も知っておくと、飲めているかどうかの参考になります。
※ウェット中心の子は数値より少なくても正常な場合があります
| 体重の目安 | 1日に必要な水分量の目安 |
|---|---|
| 3kg | 約150〜180ml |
| 4kg | 約200〜240ml |
| 5kg | 約250〜300ml |
| 6kg | 約300〜360ml |
ウェットフード中心の場合は、このうちかなりの割合をフードから摂っていることがあります。
一方で、ドライフード中心の猫や、腎臓病・心臓病などの持病がある猫では、必要な水分量が増えたり、少しの脱水でも体に負担がかかりやすくなります。
数字はあくまで目安としてとらえてくださいね。
何日飲まないと危険?猫の脱水サインをチェック
「何日飲まなければ危険」という線引きは一律には言えません。
ただ、完全に水を口にしない状態が続くのは、1日でも注意が必要です。
特に次のような場合は、様子見を続けるよりも受診を検討した方が安心です。
- 半日〜1日ほどほとんど水を飲んでおらず、尿の量が明らかに少ない
- 前述したような脱水サインがある
- 元気がない、ぐったりしている、食欲が落ちている
- 嘔吐や下痢があり、水分が失われている
子猫・高齢の猫・持病(腎臓病、心臓病、糖尿病など)がある猫では、短時間で脱水が進むことがあります。
「丸1日ほとんど飲んでいない」「数時間のうちに急にぐったりしてきた」といった場合は、時間をあけずに受診することがおすすめです。
特に子猫・高齢猫は数時間単位で悪化することがありますので注意しましょう。
今すぐできる!猫に水を飲ませる工夫
原因や脱水のサインをおおまかに確認できたら、まずは自宅で無理のない範囲の工夫から始めてみましょう。
ここでは、今日からできるシンプルな工夫を4つに分けてご紹介します。
どれも、猫が自ら飲みたくなるきっかけを増やすイメージで、組み合わせて試していくのがおすすめです。
① 複数の場所に水を置く
いつでも飲めるように、複数の場所に水を置いてみましょう。
猫は
- 今いる場所から近い
- 落ち着ける場所
に水があると、ふとしたタイミングで口をつけやすくなります。
リビング、寝床の近く、廊下の角など、生活動線に沿って数か所に水を置いてみてください。
家のなかでちょっと歩くとどこかに飲み水があるという状態をつくってあげることがポイントです。
② 温度を“常温〜ぬるめ”に調整
人が指を入れて、冷たくも熱くもないと感じる程度を目安にするとよいでしょう。
夏場でも、氷水のように冷たすぎる水より、常温の水の方が好まれることが少なくありません。
ただ、冷たい水を用意したら飲むようになったというケースもありますので、それぞれの猫の好みを把握しておくことも必要かもしれません。
氷水より常温が好まれることが多いですが、個体差があるということですね。
自動給水器を使う場合も、こまめに中身を替えて、いつも同じ温度帯で新鮮な水が飲めるようにしてあげると安心です。
③ 香りやフレーバーをプラスして飲みやすくする(スープ・ウェット併用)
猫は「におい」で食べ物や飲み物に興味を示します。
水そのものにはほとんど香りがないため、少しだけフレーバーをつけてあげると、興味を示してくれます。
例えば、次のような工夫があります。
- ウェットフードのスープ部分を、少量だけ水に足して香りづけする
- 塩分や添加物の少ないスープタイプのおやつを、お水にほんの少し混ぜる
- ちゅ〜るを水に少し溶かす程度にして、香りだけをプラスする
注意点
水にフレーバーをつける際、濃くしすぎないようにしましょう。
あくまで「水をおいしく感じてもらうための香りづけ」が目的です。
のこと。マルシェでも、国産・無添加のスープタイプのおやつなど、香りで飲水量アップをサポートできるフードをご紹介していますので、こうしたアイテムを補助的に活用するのも一つの方法です。
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④ ゼリータイプの水分補給食品を活用する(ジュレッタ)
どうしても水を飲んでくれない猫や、高齢で自分からあまり動かなくなってきた猫には、ゼリータイプの水分補給食品を取り入れる方法もあります。
のこと。マルシェで取り扱っている「ジュレッタ〜食べるお水〜」は、国産・無添加で嗜好性の高いゼリータイプの水分補給食品です。スプーンやお皿に出してなめてもらうことで、「食べるように水分をとる」ことができます。
- 国産・無添加の原材料で、毎日の水分補給をやさしくサポート
- プルっとしたゼリーの食感と香りで、食欲の落ちた子でも口にしやすい
- 食べた量が見やすく、どのくらい水分をとれたか把握しやすい
といった点が特徴です。
おやつやいつものごはんのトッピングとして取り入れてみましょう。
持病がある場合や、与える量に迷う場合は、事前にかかりつけの獣医師に相談してください。
ジュレッタの商品ページはこちらからご覧いただけます。
それでも飲まない場合の受診目安
次のような様子が当てはまるときは、できるだけ早めにかかりつけの動物病院へ相談してください。
- 半日〜1日ほとんど水を飲まず、尿量が少ないまたは出ていない
- 元気や食欲が落ちている、ぐったりしている
- 嘔吐や下痢が続いている
- 歯ぐきが乾いている、目がくぼんで見えるなど、脱水のサインがある
特に子猫・高齢の猫・持病がある猫では、脱水や電解質バランスの乱れが、短時間で命に関わることもあります。
自己判断で様子を見続けず、腎臓病や尿路結石などの病気が隠れていないか確認のためにも、早めに獣医師に連絡して指示を仰ぐことをおすすめします。
受診の際は「いつから」「どのくらい」といった変化の様子をメモしておき、受診の際に獣医師へ伝えていただくと、診療がスムーズです。
まとめ
愛猫が水を飲まないときは、すぐに重い病気を心配してしまう方も少なくありません。
ただ、実際には水の温度や器、環境など、日常のちょっとした要因で飲水量が少なく見えていることも多いです。
まずは、複数の場所に水を置く、常温〜ぬるめに調整する、香りづけにスープやゼリーを活用するなど、猫が自ら飲みたくなる工夫から始めてみてください。
そのうえで、元気や食欲、尿の量、脱水サインなどの気になる点があれば、早めにかかりつけの動物病院へ相談しましょう。
「食べるように水分をとれる」ゼリータイプの水分補給食品を利用するのも一つの方法です。
のこと。マルシェでご紹介している「ジュレッタ〜食べるお水〜」は、国産・無添加で嗜好性の高いゼリータイプの水分補助食品として、日々のケアの中に取り入れていただきやすいアイテムです。
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よくある質問(FAQ)
ここでは、飼い主さんからよく聞かれる、猫が水を飲まないときの疑問を簡潔にまとめました。気になる点があれば、この記事の本編と合わせて、受診やおうちでの工夫の目安にしてみてください。
Q1. 猫が急に水を飲まなくなりました。どんな原因が考えられますか?
急に飲まなくなった場合は、まず環境の変化を疑います。
引っ越し・模様替え・新しいペットや家族が増えた・工事や雷などの大きな音が続いた、といった変化は、猫にとって大きなストレスになり、飲水量や食欲の低下につながることがあります。
また、水の温度やにおいが変わった、器を置く場所を変えたことがきっかけになることもあります。
まずは清潔な器に新鮮な水を入れ、静かで落ち着ける場所に用意して様子を見てください。それでも元気や食欲も落ちている場合は、早めに動物病院に相談しましょう。
Q2. 猫が1日水を飲まないとどうなりますか?
健康な成猫でも、完全に水を口にしない状態が1日続くと、脱水のリスクが高くなります。
さらに元気や食欲も落ちている場合は、様子を見るのではなく、かかりつけの動物病院に相談することをおすすめします。
子猫・高齢猫・持病のある猫では、もっと短い時間でも脱水が進みやすいため、半日でも早めの受診が安心です。
Q3. ちゅ〜るやミルクで水分補給してもいいですか?
ちゅ〜るや猫用ミルクを少量使って水分補給を助けることは、一般的にはよく行われている方法です。
ただし、塩分や脂肪分が多いおやつを大量に与えると、腎臓や心臓、消化器に負担がかかる可能性があります。あくまで水分補給の補助として少量にとどめましょう。
腎臓病や心臓病などの持病がある場合は、かかりつけの獣医師に相談したうえで与えるようにしてください。
無添加スープや、ジュレッタのような水分補助食品を活用するのも一つの方法です。
Q4. 冬や寒い季節になると水を飲まなくなるのは普通ですか?
気温が下がる冬場は、活動量や発汗が少なくなるため、飲水量がやや減ること自体は珍しくありません。
一方で、暖房の影響で室内が乾燥しやすく、知らないうちに体から水分が失われていることもあります。
冬に飲水量が減ってきたと感じたら、冷たい水ではなく常温〜ぬるめの水にしたり、フレーバー付きの水(スープやちゅ〜るを少しだけ溶かす)を与えたりするとよいでしょう。
そのうえで、元気・食欲・尿量が普段より明らかに少ない、脱水サインがある、といった場合には、季節のせいと決めつけず、早めに動物病院へ相談することをおすすめします。
著者情報 | 獣医師監修







